異分野meetup week2020 研究者コミュニティサロン「糖鎖研究について語ろう!」を開催しました(12/2)
2020年12月2日(水)、オンラインにおいて、研究者コミュニケーションサロン「糖鎖研究について語ろう!」を開催しました。
このサロンは、北海道の6つの連携機関が共同して組織する北海道ダイバーシティ研究環境推進ネットワークが主催する異分野meetup week2020の中で実施されました。
糖鎖に興味をもって研究を行ってきた北海道大学の小林純子講師(医学研究院)、比能洋教授(先端生命科学研究院)、長堀紀子特任教授(北海道大学ダイバーシティ研究環境推進室/遠友ファーマ株式会社)、高畑雅彦准教授(医学研究院)より話題提供いただきました。
小林講師による「糖鎖とは何か」「どのような働きをしているのか」についての解説のあと、比能教授からは、解析が難しいといわれる糖鎖の化学的な特徴や先生方が開発された最新の技術についてお話をいただきました。長堀特任教授からは、細胞膜を模した分子をつけたナノ粒子に荷札となるラベルをつけることで、生体内の特定の場所に薬剤等を輸送することができる技術のご紹介と起業にいたった経緯についてお話をいただきました。
高畑准教授からは、骨の恒常性維持に欠かせない破骨細胞の機能制御にシアル酸を認識するレクチンであるシグレック15が関わっており、シグレック15に対する抗体が骨粗しょう症などの骨の代謝病に有効な治療効果をあげることを示した研究成果について、わかりやすく解説いただきました。
本サロンには、北は北海道から南は九州まで、全国各地より80名を超える方々に参加登録をいただきました。参加者の帰属は、大学関係(学部生、修士・博士課程学生も含む)が最も多く、学部も多岐にわたっていました。また、企業や医療関係の方にも参加いただきました。
糖鎖の研究は専門的な知識や技術が必要で難しく、広く普及しているとは言えません。事前に行ったアンケートでは参加された方の約9割の方が糖鎖研究について「難しい」と感じているようです。
生体内にはたくさんの糖鎖があり、生命現象には欠かすことができない物質です。複雑な糖鎖の暗号を解き明かすためには、さまざまな分野の研究者の参画がとても大切です。このような活動が、糖鎖研究のすそ野を広げるよい機会になればと願うばかりです。話題提供いただいた先生方、また、ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。