KNITシンポジウム「多様性を武器に これからの不確実な時代を生き抜くには~ステークホルダーからのメッセージ~」開催報告
2022年2月4日、北海道ダイバーシティ研究環境推進ネットワーク(KNIT:北海道大学、室蘭工業大学、帯広畜産大学、北見工業大学、株式会社アミノアップ、日東電工株式会社)では、「多様性を武器にこれからの不確実な時代を生き抜くには~ステークホルダーからのメッセージ~」と題したダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関するオンラインシンポジウムを開催しました。
オンラインでの開催となり、北海道だけではなく、全国の大学・企業・研究機関など130名程の参加があり、「ダイバーシティを推進したその先に、多様性を武器にしてどのように組織や個人が生き抜くのか?」という本シンポジウムのテーマへの関心の高さが伺えました。
本シンポジウムは、「新たな課題への解決策を見出すのは誰か?顕在化してこなかった課題を見出すのは誰か?」を話題に、ダイバーシティ研究環境を実現する上での重要なステークホルダーと共に、ダイバーシティ&インクルージョンの意義および現状打破の手掛かりについて、参加者の皆様とともに学び、考えることを目的として開催しました。
そこで、ステークホルダーとして、①ダイバーシティ&インクルージョンを事業とする起業家、②ミレニアル・Z世代を代表する若手人材、③世界規模の課題解決に挑む企業、④男性の生き方/生きづらさを研究する男性学が専門の研究者、である4名の講演者にご講演をいただきました。
レポート
まず基調講演として、株式会社カレイディスト 塚原月子氏より「ダイバーシティのビジネスケースとグローバル新潮流」と題して、ご講演いただきました。
ダイバーシティの本質やダイバーシティのマネジメントの重要性についてご説明いただきました。また日本の企業や組織が成果を上げるためには、計画策定や両立施策の整備、経営層のアカウンタビリティ、評価や基準への反映など組織構造的な課題に対応していくことが重要であるということを、データを元にお話いただきました。
続いて、ダートマス大学タック経営大学院 坪田駆氏より「米国ビジネススクールの実情にみる、ミレニアル・Z世代のD&I意識のリアルと企業・社会の変化に寄せる期待」と題して、ご講演いただきました。
アメリカMBA(経営学修士)スクール生を目指したきっかけから始まり、MBA生の立場から(1)MBAの価値(2)MBA生のD&Iの意識(3)企業・社会への期待について、現地でのエピソードを交えながらお話いただきました。
続いて、株式会社 JERAビジネスサポート&ソリューション本部 丸山昌子氏より「エネルギー課題の解決に向け~JERAのダイバーシティ&インクルージョン~」と題して、ご講演いただきました。
企業でのD&I推進、特に男性が多いエネルギー業界での女性活躍の推進について、重点的にお話いただきました。また、多様性が企業価値を高めるという認識の下、企業プログラムの優れた成果や取組についてご紹介いただきました。
さらに、大正大学心理社会学部 田中俊之氏より「男性学の視点から誰にとっても生きやすい社会を考える」と題して、ご講演いただきました。
“「男は仕事、女は家庭」から「男も女も、仕事も家庭も」へ”というキャッチフレーズについての疑問点や問題点をお話いただき、「D&Iを推進して行く上で当事者意識を持つためには、性別が自分の生き方に与えている影響を意識することが大事」とのメッセージをいただきました。
最後に、基調講演者である塚原氏を中心に、まとめセッションとして、参加者からの質問に対して各講演者にお答えいただくフィードバックがありました。
本シンポジウムでは、講演者それぞれの立場からD&Iの推進や必要性について語っていただき、大変参考となる示唆が得られました。
講演者の皆様、視聴者の皆様、誠にありがとうございました。