2020・2021年度 KNIT a Network! 研究者交流会/座談会 後記
2020年7月から『研究者交流会 Knit a Network!』と題し、ロールモデル紹介コンテンツを続け、早くも2年目が終わろうとしています。
この企画は、研究を続けたい女性研究者の希望が叶うよう、家庭とキャリアの両立経験を共有することと、女性研究者同士のコミュニティ構築を目的として始まりました。
1年目は、「キャリアや研究生活と、出産や育児をはじめとしたライフイベントの両立」をテーマに、KNIT参画機関の大学で研究する女性研究者や大学運営に関わる女性スタッフをロールモデルゲストに迎えました。それぞれの生活環境の中で、人やチャンスとの出会い、キャリアアップに挑戦するときの心構え、家族や学会のサポートなど、様々な経験を語っていただきました。
これらの経験談には、研究やキャリアとライフプランの同時進行には、人生における選択の積み重ねと、本人の考えや周囲との調整があったことが多く語られ、その結果キャリアとライフイベントの両立が叶っているように感じました。そこで2年目は、これまでの人生の分岐点と進む方向を選ぶ時に考えたこと、その時のアクションを紹介できるよう、キャリアを選択していく中で大きなキーワードになりそうな「研究環境の選択(大学or企業)」や「海外留学とライフイベント」「男性の家事・育児」などテーマを設定してゲストを招いてお話いただきました。また、告知範囲も修士課程や博士課程進学の可能性のある学部生にも広げた結果、毎回30名程度の申込と、事前質問やその後のアンケートでも各回のテーマについて「今気になっている」「今考えている」というコメントがあり、必要な情報を届けることができたことを実感しました。
さて、僭越ではありますが、DJ藤井の話を少しさせてください。
DJ藤井にとって、北海道大学ダイバーシティ研究環境推進室は社会に出て働き始めてから4か所目の職場です。自分がどのように生きたいか、どのようなことに携わりたいか、また貢献できるのかを考えて、今はここにたどり着いているような感覚です。その過程の中では、多くの方と同じように、キャリアやライフプランに悩むことが多く、今も悩んでいることがあります。例えば、自分の仕事における将来設計や離れて暮らす家族のこと。ひとつひとつ「この人の話を聞いてみようかな」という知り合いや友人に声をかけてヒントをもらっています。全ての悩みを私より先行して乗り越えてアドバイスしてくれるようなスーパーロールモデルはなかなか見つかりませんが、自分にない経験をしている人たちは周囲に間違いなくいます。考えていることや悩みの一部だけを切り取って話してみると、その部分のロールモデルとなる人に出会えるかもしれません。
2年間のKnit a Network! 研究者交流会/座談会では31名のゲストの経験を紹介しました。この座談会が、見てくださった皆様の人生のどこかに貢献できていたら嬉しいです。お昼休みの短い時間で伝えきれないこともありました。至らぬ点もありましたが、ご容赦いただけますと幸いです。
DJ藤井は、今年度3月をもって5か所目へ向かうため本記事が最後のご挨拶となります。
ゲストとして協力いただいた31名のゲストの皆様、そして、ご覧いただいた全ての皆様にお礼申し上げます。
2年間のKnit a Network! 研究者交流会/座談会にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。